って、お父さんの話は置いておこう。




なんて思いながら、私は悠ちゃんたちに近づく。




そして、舜くんの頬に手を添えた。




…こんなんじゃ、彼女さんに愛想尽かされちゃうよ?




歩けないほど酔いつぶれちゃって…。




「…っ………」




私が正面から抱きつくように支えると、舜くんは苦しそうに眉間にシワを寄せる。




普通、お酒飲んだら顔赤くなるはずなのに…。




…今の顔色、真っ青だよ?




私は舜くんと悠ちゃんを交互に見ながら思った。




……支えたはいいけど、このあとどうするの…?




それに、この状況………結構つらい。




「悠ちゃん、あの……」




浮かんだ疑問をぶつけようとしたら、突然悠ちゃんが舜くんをから手を離す。




「ウチ、今ちょーっと事情があってさ。篠崎、預かれねえんだ。だからひな、頼んだ!」




「え、えぇ!?」




そして反論する間もなく、悠ちゃんは舜くん越しに私にそう言って、勝手に帰ってしまった。




ちょ、ちょっとぉ…!




舜くんどうすればいいの!?




私、わかんないしっ…。




諦めるって、忘れなきゃって…。




舜くんへの恋心は封印するって、さっき穂見くんと行った神社で決意したのに!




ガチャリ、と音をたてて閉まったドアをジッと見つめる。




………諦めようとは決めたけど、放っておくことはできない。




…よし、お父さんだと思って介抱しよう…。




この人は、舜くんじゃない!




お、お父さん!




自分にそう言い聞かせ、舜くんと一緒に玄関に座り込む。




相当酔ってるなぁ…。




私なら、宴会でもないのに潰れるほど飲まないと思うけど…。