悠河の言葉に茫然としていると、ククッとバカにしたような笑い声が聞こえてきた。




「ほ~ら、気になるだろ?よし来い!お前と俺は別行動だ」




……は?




別行動って…。




悠河はそこらへんの女をいつもの笑顔でごまかし、俺の肩を組んで別の店へと向かう。




…いいのかよ、こんなことして。




つーか、元々こうする予定だったのか?




悠河の行動はいつも突然で意味不明だが、今回は助かった。




合コンなんてしてる暇ねぇし、どうせだったらひなの話は聞いておきたい。




…例のクリスマスの日から、家庭教師再開だしな。




「はぁ………」




ついつい癖で出てしまうため息に、相当自分がまいってるんだと感じる。




「ほら、座れ!おっちゃん、チューハイ2つね!」




「はいよ!」




悠河のテンションに乗れない俺に、明るい声が響く。




あーあ、ひなに会いたい。




最近は面白くないことばっかりだ。




「なぁ、ひなとどうなんだよ?」