「おー、篠崎!」




「……遅ぇよ」




…なんで俺が合コンなんて来なきゃなんねぇんだ。




周りには、女ばっかり。




俺は悠河に呼び出され、全国チェーン店の居酒屋に来ている。




…てっきり男2人で飲み明かすのかと思ったら……。




「篠崎くんってカッコいいよね!」




「学部どこなのー?」




このザマだ。




俺は今、壮絶に忙しいんだよ。




合コンなんかに付き合ってらんねーんだ。




ひなには、婚約の話が上がっている理奈子と一緒にいるところを見られ…。




その理奈子には、婚約解消しようとしたらキレられるし。




挙句の果て、ひなが外で泣いてるのが見えてしまった。




…理奈子とのこと、決着つけなきゃなんねぇのに…。




それにきっとひなも、色々誤解してると思う。




はぁ、と深いため息を吐く俺に、悠河たち男どもが苦笑いを浮かべた。




「まーまー!篠崎がいると、女子のテンションが違うからな!」




「そーだ。悠河一人じゃ大半はもってかれるからさ」




「お前みたいに冷たーくて突き放すイケメンがいた方が、優男アピール出来んじゃん?」




あっそ。




理由なんて聞いてねーよ。