そんな悠ちゃんを、穂見くんが一言でバッサリぶった切る。



…そういえば、悠ちゃんと穂見くんってどういう関係…?




“先輩”ってことは…。




2人に目を向けると、美織ちゃんも同じことを思ったのか、悠ちゃんに説明を求めた。




「あの……ひなと悠河の友達?」




あ、そっか。




美織ちゃんと穂見くんは初対面だよ。




不思議そうな顔をしている美織ちゃんに、穂見くんが明るい笑顔を見せる。




「穂見零です。山井先輩とは高校の先輩後輩。で、春沢さんの教師……かな?」




少し困ったような笑顔を向けられた私は、即効頷いた。




もう先生っていうか……神だね。




私の目指すべき人って言うか…。




取りあえず王子様、って言えば伝わる?




「そうなんだー。ひな、かなり大変だったんだね?」




コーヒーをぐちゃぐちゃかき混ぜる悠ちゃんの隣で、美織ちゃんはほぅ……っと穂見くんに熱い視線を向ける。




…裕貴くんに怒られても知らないよ。




意外とヤキモチ妬きなんでしょー?




あとでケンカしたりしないでね?




音も立てずにコーヒーを飲んでいる穂見くんを一瞥して思った。




…悠ちゃん、本当に先輩なの?




どう見ても穂見くんの方が大人だし、なんか品があるし…。




これじゃぁ、どっちが年上だかわからない。