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私と美織ちゃんは今、いきつけのカフェでパフェを注文したところ。




「抹茶パフェといちごミルクパフェでございます。ごゆっくりどうぞ」




店員さんがそう言うのとともに、抹茶パフェといちごミルクパフェが順番にテーブルに置かれていく。




よかった、あの席じゃなくて。




…舜くんと鉢合わせした、あの入口の近くの…。




……って、今日は舜くん封印っ。




パフェと、穂見くんのお守り選びに専念する日にしなきゃ!




おしぼりで手を拭きながらそう決意した私に、美織ちゃんがスプーンを渡してくれた。




「珍しいね、ひながいちごミルクの方なんて。いつもあたしと抹茶食べるのに」




美織ちゃんが不思議そうにするのもおかしくない。




…私も、いつもは抹茶パフェを注文するんだぁ。




だけど穂見くんと食べに来たあの日を思いだしたくなくて…。




今日はいつもならほぼ頼まない、いちごミルクパフェにした。




「た、たまには……ね?」




そう言いながら、いただきます、と手を合わせる。




抹茶みたいに渋いだけじゃだめなんだよ?




たまにはケーキのように甘くなきゃ。




「なんかひな、おかしくない?」




さっそくスプーンでアイスを掬った私に、美織ちゃんは鋭い視線を向てきた。