悠ちゃん、篠崎さんにマイナスのイメージばっかり植え付けてないといいな…。
なんて心配している私に対し、
「…よろしく」
そう言いながらも、ちょこーっと不機嫌そうな顔をしている篠崎さん。
やっぱ本当に、悠ちゃんが紹介してくれた家庭教師らしい。
あぁ…てっきり女のヒトだと思ってた。
美人で綺麗で細くておしゃれで…。
サバサバしてる人をイメージしてたのに。
想像上とはまず、性別から違った。
「ま、そーゆことで。後はお前に任せた」
茫然として魂が抜けきっている私をよそに、悠ちゃんは篠崎さんの肩をポンッと叩く。
そして、走ってどこかへ行ってしまった。
「………………………」
き、気まずすぎる…。
残された私たちは、その場から一歩も動かず、口も利かず、お互い目も合わせずの状態。
ど、どどどどどどうすればいいのこの状況!
沈黙痛いけど、話しかけるのもな…。


