………いいわけないよ。




…ダメだよ。




だって、心の奥深くから涙が出てくる気がする。




いつからこんなに好きになっちゃってたんだろう…?




拭っても拭ってもあふれる涙。




「無理すんなよ。……どーせテストの事じゃねぇんだろ」




そうは言っても、何も聞いてこない穂見くんの優しさが痛いくらい伝わってくる。




「ホラ、食えって」




穂見くんは私の手からスプーンを奪い取って、パフェをすくいあげた。




「うん………」




私が口を開けると、そのまま食べさせてくれる。




なんか……ヘンなの。




色々初めてだ。




美織ちゃん以外の人とカフェに入ったのも。




こうして対面して座ってるのも。




…パフェ食べさせてもらったのなんて、生まれて初めて。




プッと笑うと、穂見くんが怪訝そうな顔をした。




「私、男の子に“あーん”してもらったの初めて!」




小説やマンガでは、何度も何度も読んでるのにね。




クスクスと笑うと、穂見くんはパフェの容器の中にスプーンを置いてそっぽを向いてしまった。




「泣いたり笑ったり、忙しいヤツ…」