そういえば私……。




男の子と二人っきりで出かけるの初めてだ。




なんだか、ウキウキとわくわくが入り混じった楽しい感じ!




みんな、こういう経験をしてるんだよね。




いいなぁ~。




もっと早く体験したかった。




…思いだしてみれば、悠ちゃんとも二人で出かけたことなかったもんなぁ。




うふふふふ、と奇妙な笑みを浮かべている私に、穂見くんがハッと思いついた顔をした。




「合格祈願のお守りが欲しいかな…」




ま、まじですか…!?




さすが学年…いや、校内トップ…!




欲しいモノも勉強関係ですか…。




なんかもう、次元が違う。




私は尊敬のまなざしを向けながらも、ついため息を吐いてしまった。




「じゃ、じゃぁ、それはお正月っ!………ってそういえば穂見くんって、どこ受けるつもりなの?」




と同時に、穂見くんについて全然知らないことに気付く。




私って……観察力ないのかな…。




舜くんについても、まだ全く知らない。




“まだ”だからねっ!




これから知る……もん…。




心の声に多分、と付け足した私に、穂見くんは声色一つ変えずに言ってきた。




「あぁ、峰龍大学の医学部。」




ほ、ほほほほ……!?




「うそっ!?」




それを聞いて、舜くんのことなんか頭から吹っ飛んだのは、言うまでもなく……。