「…これでいい。」


「あ…ありがとうございます・・・」


「なんでかばったんだよ。お前が殺されてたかもしれないんだぞ」


「…私たち知ってます。あなたが毎日泣いてるの」


「…」


「だから私達は責めないわ。貴方の事。貴方の事を冷たく言う人は許さない」


「…馬鹿どもが…」


「何度でもいうといいわ。私達は根性だけは凄いのよ」


「…勝手にしな」


バタン。


「…へぇ?なんで泣いてたの」


一番リーダーが扉の横で待っていた。


「…菖蒲は私の兄だ」


バタン。扉を閉める。その時にちらりと見たソイツの顔は、呆然としていた。


「どういう・・・ことで」


「…お兄ちゃんを殺すように命令された。」


「なんで妹なのに敵なんだよ」


「生活に不自由が出たから。お兄ちゃんには不自由させたくなくてね。」


「…売られたのか」


「望んでいた。売ってほしいと親に行ったのは自分自身だ」


「なんで・・・働くとかそう言うことは」


「…出来たかもね。でもそんな場所で育ってなかったから…4歳だったし」


「…」


「あぁ。無駄話しをしてしまった。たしか断れなかったのか。よね」


「あ…あぁ。」


「方法は有った。私が死ねばよかった。唯それだけ」


「…それ方法っていうのか?」


「言うわ。貴方達は菖蒲が死なない方法はなかったのか。そう聞いているんだから」