夜とコーヒー



「あ…、必要ないです。」


一瞬迷うような素振りをしてから、何かを決める時みたいにはっきりと言った。



…そう言う彼女は儚げで、僕はまるで惹き付けられるかのように彼女を見ていた。



「…?…あの、恥ずかしいです…///」


そう言われて我に返る。


「あっ…、申し訳ございません。」



…こんな雰囲気の人、初めてだったから、ついつい次の行動に注目してしまう。



……なんか、自分らしくないな……。



クシャ、と前髪をかきあげる。



「…あの?…もしかして、具合悪いんですか…?もしそうなら帰るので……。」


…彼女は、心配そうに僕を見つめた。