「あ…、必要ないです。」
一瞬迷うような素振りをしてから、何かを決める時みたいにはっきりと言った。
…そう言う彼女は儚げで、僕はまるで惹き付けられるかのように彼女を見ていた。
「…?…あの、恥ずかしいです…///」
そう言われて我に返る。
「あっ…、申し訳ございません。」
…こんな雰囲気の人、初めてだったから、ついつい次の行動に注目してしまう。
……なんか、自分らしくないな……。
クシャ、と前髪をかきあげる。
「…あの?…もしかして、具合悪いんですか…?もしそうなら帰るので……。」
…彼女は、心配そうに僕を見つめた。


