「……っ」

「じゃあ、よろしくね」

梶原先生は小さく笑って、私の横を通りすぎた。


「……未良」

「えっ」

いきなり肩に手を置かれて、体が固まった。


「大丈夫だって。な?」

本多君……。


「はい、ありがとうございます」

 ……ホントは、怖い。

でも、……本多君がいるから。


「……。あの、本多君」

「ん?」

「頭、撫でてもらっても、いいですか……?」

「……。はぁ!?」

え、私、驚かれること、言ったのかな?


「あ、あのっ。本多君に頭を撫でられたら、すごく安心できる気がして……っ」

「……。頭、撫でるだけでいいの?」

「は、はい」

 ……本多君は遠慮がちに手を伸ばして、撫でてくれた。


 ……ドキドキするけど、落ち着いてきた。

不思議……。