「未良、起きろ」 「え……?」 本多君に体を揺すられて、私は目を覚ました。 「……もう夜だぞ」 本多君は立ち上がって、帰る支度を始める。 「あ……。すみません、私、寝ちゃって……」 「いや、別にいいけど。……もう遅ぇから、俺、帰るな。あ、おばさんならもう戻ってるから」 「はい……。ありがとうございます……」 「ん。……さよならのキスは?」 「え?」 整えたのか、いつの間にか本多君は私の近くにいた。