レンアイ指導室~甘々な指導~【完】

「……おーい、未良?」

 ……はっ、と本多君の声で現実に戻る。


本多君は心配そうに顔を覗いて、私の目を見つめる。


おかしい……のかな。

私、本多君に見つめられるだけで、体が熱くなる。

でも、通常に戻すすべを知らないので、ただ戸惑うばかり。


「……何か飲む?」

「……っえ?」

何か……飲む?


いきなり問われたその質問に、ポカンと口を開けっぱなしにした。


「未良?」

「えっ? あっ、はい」

「……期待しちゃった?」

「……っ!!」

顔が真っ赤になる。


「っ、期待なんかしてないです! その前に、何か飲み物ください!」

「はいはい。オレンジジュースしかねぇから、オレンジジュースな」

そう言って、本多君は笑いながら去っていった。