* * *


「……あ、あの。本多君」

「ん?」

放課後、相変わらず2人っきりの指導室。


最初はドキドキしすぎて頭は空っぽだったのに、今はごく普通な光景となっている。


「あ、……えっと。明日、終業式ですよね!」

「ん。そうだな」

本多君は興味ないのか、ずっと本を読んでいる。


 ……珍しいなぁ。

本多君が読書してるなんて。


ちょっと、話題を変えてみようかな。


「本多君、何を読んでるんですか?」

私は本多君の本を見ようと、顔を近づける。