「……!」

 ――え……?


知ってる、この唇……。

これ……、本多君の……?


すると、まるで名残惜しそうに唇が離れた。

その瞬間に、つぶっていた目を開ける。

そこには……。


「本多、君……?」

やっぱり、目の前には本多君がいた。


彼の目は今にでも、とろけちゃいそう……。


「え……? な、なんで、……ですか……っ?」

怖かったのか、または動揺してなのか、私は泣き出してしまった。

どちらにしても、私の涙は止まない。


「……」