「……本多が好きなの? そんなに。……ムカつく」

その場に押し倒され、両腕を片手で掴まれて不自由になる。


やだ……!

やだよ、こんな……無理やりなキス……。


「本多君じゃなきゃ、いやなんです……!!」

あ……、私、大声で……。


「未良!」

「!? 本多……!?」

本多君の声だ……。


本多君は必死に人混みをかき分けて、やってくる。


「てめぇ……っ、未良に手ぇ出すな!」

「は? 彼氏でもないやつが何言ってんの?」

男の子は私の顎を固定して、近づいてくる。


「いやっ……!」

必死に胸板を押すけど、びくともしない。


やだ、やだよぉ……!