――結果、あの男子は私を連れてゴールしてしまった。


周りにはたくさんギャラリーがいて、『うらやましい』とか『引っ込め』とか聞こえてくる。


「菅原さん。俺、……好きなんだ。菅原さんのこと」

そうささやいて、男の子の顔が迫ってくる。


「やっ……!」

やだ、だって、私……!

本多君のこと、好きなのに!


「本多く……っ、助け、てぇ……」

本多君と一緒にいたくない、なんて、結局は苦しみたくないだけ。

だけど、それでも……、本多君のことが好き……。

大好きなの……。


本多君への気持ちが溢れだして、涙が止まんないよ……っ。