「菅原さん! あ、本多もいる!」

1人の男子が私たちに近づいてくる。


どうしよ、見つかっちゃった……!


「けど、本多はいらないからなぁ。だから、ごめん」

すると、男子は本多君のお腹に一発殴った。


「……っ!」

「ほ、本多君!」

本多君はその場に倒れて、苦しそうに顔を歪めている。


「軽く入れただけだから、もしかしたらすぐに動いちゃうかも。……あ、いいところに紐がある。これで縛っとくか」

そう言って、本多君の腕を背中に回して縛り上げた。


「本多く……! きゃあっ!?」

いきなり抱きかかえられて、男子は歩き出してしまった。


「! 未良っ……!」

本多君の声が遠くなった……。