「本多君……」

 ――ズキンッ……と胸が痛んだ。


やだ……、胸が痛いよ……。


「本多君も、私狙いなんですか……?」

「……あぁ。けど、無理やり連れてったりしねぇよ。別に未良だけ行ったって、条件は十分満たしてるだろうから」

それからというものの、私の心臓は針で何度も刺されているように、ずっと痛んでいた。


「けど、未良は最高の獲物だ。誰もが狙ってるから、俺が一緒にゴールに行けば」

「いいです!」

「はっ?」

やだ、もう本多君といたくないよ……。

ずっと胸が苦しいんだもん……。

これ以上、一緒にいたら、おかしくなっちゃいそう……。