「そこにすっか」

本多君が指差したのは裏庭のベンチだった。

そこに私たちは腰を下ろす。


「……やっぱり、菅原って、男とか苦手なわけ?」

「……はい」

でも、本多君といると、安心できる。


「……じゃあ、恋愛経験ゼロか」

「はい……」

「俺が恋愛指導してやろうか?」

「は……。――へっ!?」

え、い、今、なんて……っ。


「だから。恋愛指導。……まずは少しでも男に慣れねぇと」

「恋愛、指導……」

 ……確かに本多君はモテるんだから、恋愛なんて私にとったら師匠みたいなもの。

で、でも、どんなことするんだろ……。