レンアイ指導室~甘々な指導~【完】

 優貴side――.


「梶原先生」

「ん?」

「……未良のこと、いつから好きだったんですか」

「……。菅原さんが入学する前からだよ」

は?

入学する前……?


「菅原さんね、学校見学しに来たんだ。数人の友達と一緒だったんだけど、俺の目からは楽しんでるようには見えなかった。……俺が目の前でドジを踏んだとき、周りは笑ってたけど、菅原さんだけが助けてくれたんだよ。最後に見せてくれた、あの笑顔が忘れられないんだ」

梶原の表情は今までにない、優しい表情だった。


「……じゃあ、退職願を出すのはやめておいた方がいいですよ」

「え?」

「……そのときになれば、わかりますよ。じゃ。……あ。どうせ、わざとだったんですよね? 的から矢を外したの」

そう言って俺は、弓道場を後にした。


「……そっか。バレてたか」