「……ん、……ぅ…」

「!……ハイン、悪い、起こしちまったか?大丈夫か?痛いところとか苦しいところとか無いか?」

「……ぁ、兄さん?……あぁ、大丈夫だよ、ちょっと疲れただけだから」

「そうか、よかった。でも無理はするなよ、今日は大人しく寝てろ。」

「うん。ありがとう」


本当は口には出さないが身体が辛いのだろう、顔色が悪い。俺に心配して欲しくないのだろうが逆に心配だ。

内心で舌打ちをしてしまう。

あの母親のせいでハインが死んでしまったら殺してやると、悪態をつきながら再び寝かしつけて自分をも寝る準備をする。

これからどうするだとか、生きていけるのかだとか今はもう考えたくなくて、起きたら考えようと、現実逃避をしながら俺はハインを抱きしめて眠りについたのだった。