ポタポタと紙に雫が落ちる

家の中だから、雨ではない・・・けど別の意味では大粒の雨かも
しれない

「・・・どうして、そう思うの?」

この、泣くのを我慢しようと下を向いてる海音くんの頭を撫でながら
優しく問う


[ここに、来る前・・・部屋にいたら急に母さんに荷物と
ここの住所を渡されて、「あんたの家は、今日からそこだよ、二度と
顔見せんじゃないよ」って言われたんだ・・・。]


その、話を聞いたらこの子を一人にはできない。
まだ、若いのに親が必要な年齢なのに、これはひどすぎる・・・

「そっか。海音くんもいきなりの出来事で、わからなかったよね
辛かったね・・・(たぶん、まだ他にも話はあると思う・・・けどそれはゆっくり
時間をかけて聞こう)海音君さえ、よければ一緒に暮らそう?」

海音の頭や背中を優しくなでながら話す


[いいの?俺なんか、邪魔じゃない?
話せないし・・・捨てられたし、迷惑じゃない?]


ぴんっとデコピンした

「・・~」


「邪魔じゃないし、迷惑じゃない。それに、海音君は今私とお話
してるじゃない?だから、一緒に暮らしましょう。」

微笑むとまた涙が出ていた。

[あ、ありがとう。ねぇさん]