「君が、イグレシアス・十六夜・キルシェちゃん?」
目の前の人物は、黒の髪を揺らしながら首を傾げた。

「そうじゃが……主が理事長か?」
わしの問い掛けに、目の前の人物はにっこり微笑んだ。

「そうだよ。俺が、理事長の鈴木新。よろしくね。
じゃあ……早速学園の説明をしようか」

そう言って、理事長はつらつらと学園の説明をしていく。
うむ、中々の美声じゃ。
イケメンは声もいいんじゃな。

理事長の説明を半分聞き流しながら聞いていると、ふいに理事長がこちらを見た。

「で、ここからが本番なんだけど……君には生徒会長になってもらいたいと思ってる」
理事長の言葉に、わしはゆっくり目を瞬かせた。
「理事長、それは本気で言っておるのか?」
「本気も本気。凄く本気だよ。……君も知っているだろう?西洋妖怪と東洋妖怪が仲悪いのは」
それなら誰だって知っているだろう。西洋妖怪と東洋妖怪が仲悪いのは周知の事実じゃからの。

わしはその、西洋妖怪と東洋妖怪とのハーフじゃからな。
凄く珍しいぞ。

「俺は、西洋妖怪と東洋妖怪とは仲良くして欲しい。
だから、この学校も西洋の妖怪と東洋の妖怪との共学にしたんだ」
「それと、わしが生徒会長になる意味が分からんぞ」
熱く語ってる理事長にそう言えば、理事長は大きく頷いた。