君の檻から出されたなら。





――……紫羽。


俺の視線の先には紫羽の後ろ姿。



紫羽は縁側にいた。
いつも俺がいたその場所から
いつも俺が見ていた空を、月を見上げていた。



胸が裂けそうなくらいに
ひどく締め付けられる。



「――…紫羽」




俺の呼びかけにビクッと反応して。

長い黒髪を揺らしながら振り向いた紫羽は、目を見開いた。



「……刹…?」


「ただいま…紫羽」