君の檻から出されたなら。




目を覚ませば俺の姿が消えている。



…紫羽は何を感じるだろう。




涙を流し、哀しむだろうか。


それとも、



いつものようにあの冷たいソファ-で一人、
本を読んでいるかもしれない。




「…………」


俺は、どちらもいまいち想像できなくて。



ただ、

あの寂しい家で紫羽が一人きりになったことに間違いはなくて。


そのせいで紫羽が哀しむのなら、原因は間違いなく俺だということも分かっている。