君の檻から出されたなら。




「―――…ハァ…ハァ……ッ」



こんなに走ったのはいつぶりなんだろうか。


とにかく、

早く離れたかった。
自由になりたかった。




「はぁ…っ………」



様々な匂いに包まれて。

とてつもなく広い景色の中にいて。




………こんなにも。






「こんなにも、壮大だったか…」



朝の空に包まれた俺は
また大きく、深く息を吸った。