―――…ギシッ
俺の動きに合わせて床が鳴る。
初めて、この家の古さを恨んだ。
「「…………」」
紫羽の寝息が聞こえなくなった。
鼓動を加速させながら振り返ってみれば
紫羽は背中を向けていた。
「……っ…」
寝返りを打っただけらしい。
静かに息を吐き出しながら胸に手を当ててみれば、心臓は壊れそうな勢いで動いていた。
"見つかれば終わりだ。"
……縄か手錠か鎖か。
きっと俺はなにかしらで拘束され、
縁側から自分の目で空を見上げることさえ出来なくなるかもしれない。
この時、なぜか俺はそうした考えしか浮かばなかった。
紫羽の肩が震えていたことにも気付かずに。

