君の檻から出されたなら。



……なにが意外なんだ?

なんで自分が違和感を感じたのかも分からない。



「もう眠りましょう」


そう言われて、俺と紫羽との会話は終わってしまったが


「……あぁ、」

俺は一人、スッキリしないまま
彼女の隣に寝転んだ。



決して、自惚れていたわけじゃないが…。


前に、紫羽が"運命の人"の話をしていたとき
彼女は、自分の相手は俺なんだと。

そう言っているように感じた。


少なくとも、彼女は俺をその対象で愛しているんだと。

そう、思っていたんだ。



しかし、紫羽は今 "祈っている"
そう言った。





…………まあ、なんでもいいか。


俺は考えることに疲れて
睡魔に逆らわずそのまま意識を手放した。