君の檻から出されたなら。




「たまにはいいじゃない」


紫羽は俺の頬に触れながら、
その距離のまま見つめ合う。



「…………」



「刹? 早く…」


誘うように挑発的な表情の紫羽は
異常な色気に包まれていて。



思わず



「――…んっ…」


俺は紫羽の後頭部に手を回し引き寄せ、
できるだけ深く唇を重ねた。


「――っは…ぁ……」


珍しく紫羽の息が荒くなったことに快感を覚えて、そのまま彼女の舌を追っていく。



すると紫羽はそれに答えて
というより、
俺に負けじと舌を絡めてくる。


薄く目を開ければ、少し苦しそうに顔を歪める紫羽がいた。




「…〜〜っ………」


途端に駆け上がる快感に
たまらなくなった俺は体に力が入る。


"ドサッ"という音と、紫羽が驚いたように一瞬目を見開いたことには気づかず
俺は夢中で紫羽を求めていた。