学園奉仕活動

「どうですか?」


そう言い、アリスの顔を窺いつつ恋ちゃんも手紙を横から覗き込んだ。



「たいだ・・・・・」


「たいだ?」


「変態だー!!!」


アリスの手によってくしゃくしゃにされた手紙は、空高く舞い上がり屋上のフェンスを越え、遥か遠くに飛んでいく。


「おいおい。何も投げることねえんじゃねえのけぇ?」


「うるさい!貴様も投げるぞっ!」

一応担任であるじろさんにもそう言うアリスは、恥ずかしさじゃなく、怒りで顔が赤いみたいだった。


「と、とりあえず、皆で手分けしよう」


ナイスだロピアン、この悪くなった空気を逸速く読み取るお前は貴重だ、奉仕活動部の財産だ。














――30分後――








「で、ほんとにほんとに、大、大好きです、ロピアン先輩・・・・・・・・と、はぁ〜〜俺は、お前が嫌いだ」


「ど、どうしてさ。僕は、なにもしてないよ」


「あのな〜〜。俺やゴリラは、お前達のファンクラブのラブレター仕分け係じゃないんだよっ!」


そう、依頼状だと思った紙々は、大半がロピアン、アリス、寝子へ向けたラブレターだった。


「そんなこと言われても、僕らにはどうすることも出来ないよ」


「あ〜〜駄目だ、お父さんなんとか言ってあげて」


俺は、手紙を新聞の様に読んでいるお父さん(ゴリラ)に援護を頼んだ。


「いや、良いんちゃうかな」


「ほら、お父さんも―――――お父さんっ!?」


何故っ!?


あんたどうした!?


何故、肯定するんだ!



「いや、そんな顔で見るなよ。俺も貰ったからさ、手紙」


なんだってっ!!?



「おのれー!!誰じゃっ!唯か!?唯なのかバカタレー!!」



「あ、ああ・・・・」


なんか照れるゴリラ。



「このバカタレが!!恋に現を抜かしてる場合か!!汗をかけ!汗水垂らせ、それが青春っ!」



「あ、百ちゃん宛だ」



「やっほい」


恋ちゃんから封筒を奪うと、ウキウキしながら手紙を取り出し読む。