学園奉仕活動

「こら、勝男っ!!聞いとるのか!」


「は、はい!すいまっ―――――かつお?」


「人の話も聞けんとは、まったくっ」


「いやいや、否定はしないけどさ。てか、かつおって―――――」


「なに?」
そう続けようとした時、屋上の扉が開く音がして、アリスが扉の方へ顔を向けたので俺も顔を向けた。



「おいお〜い。一発目からサボりけぇ?」

じろさんが『楽しいみかん』と書いた段ボール箱を両手で抱え、屋上へと出てくるところだった。


「いや、サボってた訳じゃないよ」


正座したまま、じろさんに言葉を返す。


「じゃ、早いとこ始めなっ」

じろさんがは俺のいる場所まで歩いてくると、抱えてた段ボールをドスっと俺の前に置いた。


「なんなんそれ?」

俺の背後でゴリラが言う。


「奉仕活動依頼状箱とでも言っとこうかな」


「名前を聞いただけで分かるぐらい、捻りの無い良いネーミングですね」


俺の側に屈み、奉仕活動依頼状箱見てニコニコしながら嫌味を言う恋ちゃん。

「まったくだな」


同意する、アリス。



「楽しいみかんってなんだい?」


段ボールの文字に興味津々なロピアン。


「何が入ってるんですか?マタタビ?」

それは間違いなく無い、寝子。


「いいから、早く開けろぃっ」

煙草に火を着けながらじろさんが言う。



皆、もっと別に聞くこと、言うことがあるだろうに





まあ、いいか



俺は普通に段ボールを開けた。