学園奉仕活動

「百太郎君。ちゃんと本返した?」


そう、田中君だ。



下の名前は知らない


てか、そもそも田中かすら危うい


が、まあ、図書委員だかなんだかだった気がする。


「多分、まだ返してないよ」


借りたかすら覚えていないね、こりゃ参った。


「無くしたら弁償だよ?」

弁償・・・・・・



嫌な響きだ。


「ああ〜、多分、家にあると思うから、明日持ってくるよ。なんたって今日は、教科書すら持って来てないからね」



「そうなの?まあ分かったよ。明日、絶対に忘れないでね」

そう言って田中君は去ろうとしたが、俺は引き止めた。


「なんだい?」


田中君は立ち止まり、振り返る。


「大した事じゃないんだけど・・・・・・・・いや、大した事なのかな?その、あのさ・・・・・・」


「うん?」

言いづらそうにしている俺を、田中君は不思議そうに見てくる。


何を戸惑ってるんだ俺は、これじゃ田中君に告白しようとしてるみたいでかなりキモいじゃないか・・・・・・



さっさと言え!


言うんだ百っ!