「なあ、寝子」

言葉を待っているロピアンを置いといて、空を見上げながら、器用にコーヒー牛乳を飲んでいる寝子に声を掛け


「は、はい!」


寝子は驚いた様子で顔を向ける。


「一年でもアリスって人気あるの?」


「えっ、アリス・・・・・?鬼白アリスさんですか?」


俺は頷いて、話の続きを待つ。


「僕はあまり知らないですが、二年B組の鬼白アリスさんは、入学当初から同学年の人気を集め、二年に上がった今は二年は勿論、一年、三年にもその人気を広げ、毎日数十枚のラブレターに数十回の愛の体育館裏への呼び出しを受けている。が、未だに彼氏は居ないらしいです」

と、寝子は一息に語り、コーヒー牛乳を再び飲み始める。


「・・・・・・・何があまり知らないだ。めちゃくちゃ詳しいじゃないか。このキャッツが」


「えっ・・・・・・はははっ」


寝子は、照れ笑いして頭を掻いた。


「だからなのかい?」


寝子を睨んでいると、横からロピアンがそう言いやがる。