今日から僕は一人だ。

僕の名は菅谷彼方。15歳。
先日、とある事情で3年間生活していた幼馴染みの家を出ることに決めた。
そして、進学が決まっていた高校も通うのをやめた。

どうしてそうなったか、僕自身も正直わからない。

ただ嫌になったんだ。
全部。

そんな僕は家を出て、幼馴染みの親戚が営んでいる高校の学生寮に身を置かせてもらうことになった。
ま、僕は頼んでないけどね。

だけどさすがに僕はまだ15歳だ。僕を預かってくれてた幼馴染みの母親が『心配だから』ということで手配してくれたという感じだった。

「彼方…。」

幼馴染みの観奈は僕が家を出る前に見送りにきてくれた。
小さい頃から両親が仲がよく、ずっと一緒だった観奈。(ミナ)

僕もまさか観奈とこんな別れをするなんて思わなかったな。

『どうして家を出ていくの?出て行かなくてもいいじゃない。』
僕が最後に見た観奈はそんな顏をしていた。

でもそんな彼女に僕は微笑み返し、そのまま背を向けて家を出た。