時計の秒針の音が、さっきからやけに耳につく。 もう十一時十五分……予定より十五分も遅れてるな。 あの先生にしては珍しい。 「あ……」 ふとカレンダーに目をやると、今日の日付にはピンクのペンで花マルがしてあった。 亜紀が勝手につけていったんだろう。 そういえば今日は、球技大会の当日。 「亜紀……」 頑張れよ。 俺は、心の中で呟いた。