弾むボール~勇気を出して~

「川越……?」


「入る、ね?」



ゆっくりとドアを開いて病室に入ってきた川越は、なんだか泣きそうな顔をしていた。



「私……ごめんね。気付かなくて、その……」



気付かないって……昨日のことか?



「私しかいなかったのに……なのに、私……」



川越は、なんで自分を責めてるんだ?


俺が勝手なことして、勝手に倒れて……それだけなのに。