「あきらくん、はやくはやく~!」



10年前……6歳だった私の家の隣には、幼なじみの彰(あきら)君が住んでいた。



「あきちゃん、ちょっとまってよ~」



いつも一緒で、仲良しの二人。


私と彰君は、名前だけじゃなく、いろんなところが似ていた。



好きな食べ物や、好きな遊び……何をするときでも、彰君と一緒なら楽しかった。



「兄妹みたいね」


私は、周りの大人にそう言われることが、何より嬉しかった。