久遠君しかいないはずのテニスコートから、ボールの弾む音が聞こえた。



「え……?」



久遠君以外に、誰か……ううん、いるはずないよね。

もう、こんな時間だし……。




じゃあ、久遠君が……? まさか、でも!



私は慌てて、久遠君のいるテニスコートへと戻った。