ユウコさん(仮)の彼氏

「………笑うなんて酷いです。」



「あー、ゴメンゴメン。」



ぷぅっと唇を尖らせるあたしの目の前には、未だ口元に手を当て、クスクスと肩を震わせる先輩。



「まぁ、とりあえず明日にでも履歴書持ってこい。」



「はい!」



「じゃあ、明日までにキチッと…」



「それは無理でしょ、澪ちゃん。」



「へ?」
「は?」



でも先輩の一言でポカンとする、あたしと店長さん。



えと、明日って何かあったっけ?



すると頭にハテナマークを浮かべながら小首を傾げるあたしを見ながら再びプッと吹き出した先輩は、あたしの肩をポンッと叩くと、後ろの棚にかけてある歯ブラシセットを指差して。



「1年生は明日から3泊4日のオリエンテーション。」



「あっ…」



「自然たっぷりの山の頂上に佇む研修施設の中、24時間、監視付きの地獄の生活習慣改善プログラム。
毎年必ず脱走者が出るけど、逃げたら逃げたでマジ地獄だから、逃げ出さないよう頑張ってねー。」



「ギャァァァー!忘れてたぁぁぁー!!」



瞬間、明日のことを思い出したあたしは、両手で頭を抱えながら叫び声をあげた。