…眩しい。
朝はダメなの朝は。
日の光はあたしの敵。
だってあたしは夜の女なんだもの。
あぁ。もう少し寝ていたい…
だってこんなに人肌は暖かい……
 

人肌っ!?
 

あたしは思わず飛び起きた。
  

カーテンの隙間から入る朝の光の中。
あたしの横には知らない男がいた。
 

待て。
落ち着けあたし。
とりあえず落ち着くのよ。深呼吸だ。


スーハースハー


落ち着かねえよ馬鹿野郎。
 

えーっと。
昨日はお休みで、夜に飲みに出て…友達と一緒だったよね。
それでバーで飲んでて…あ、そうだそうだ。そこでナンパされたんだ。
で、一緒に飲んで…あ。ダメ。そっから記憶がないや。
あたしはもう一度、横を見た。
年齢は…20歳ぐらいだろうか?あたしと同じぐらい?
長いまつげ。白い肌。
顔立ちは奇麗な子だ。
あたしの好きなタイプ…だね。これ。


諦めよう。
年頃の男女が素っ裸で一緒に寝てるという事はそれが意味する事は一つしかないと見た。
いや待て。
もしかしたら一緒に川にでも落ちて着るものが無く…ダメだ。無理だ。
この状況を楽観的に考える思考回路はあたしには無いみたい。
 

「う…ん」
小さくうめいて、彼はゆっくりと目を開けた。
「おはよう。カレン」
「おはよう」
 

にっこり微笑んで。
二日酔いの朝をものともせずに。
内心冷汗ダラダラのあたしはそう答えたのだった。