(お兄ちゃん、私、頑張るからねっ)


拳をつくっていない、もう片方の手で、首に掛かったペンダントを、ぎゅっと握りしめる。


「ちーるは!真剣な顔してどうしたの」


その時、後ろから少女がやって来た。


「あ!那古ちゃんっ」


振り返ると、其所には、散葉の親友、望月 那古(モチヅキ ナコ)が立っていた。


「一緒に寮行こ!」


「うん!!」


今は放課後。


大抵の生徒は寮に戻る時間。


「あのねっ、那古ちゃん」


「どうした?」


「相談したい事があるんだ」


そう言って散葉は話し出した。