「あ……梨乃さん、こないだの事は……」


散葉が、遠慮がちに声を掛ける。


「嗚呼!何か、急に変な事言っちゃって、ごめんなさい」


「あ、いえ」


「でも、今の用は、その事では無いんです」


「別の……用事?」


散葉は首を傾げる。


「……今日の夜、私の寮に来てくれませんか?」


―――――――


「此所……で、良いのかな」


梨乃に言われ、地図の通りに来たのは良いものの、辿り着いたのは、散葉の寮や、他の女子生徒達の寮から距離がある森の奥だった。


(えっと、勝手に入っちゃって良いのかな……)


うーんと唸っていると


ガチャ


ごっ!