気づけば目の前には、こっくりさんと思われるものがいた。


「「はぁぅ……」」


莉磨と由樹は、気絶してしまった。


「ひっ……ち、るはっ、に、逃げ……」


「言ったでしょ、那古ちゃんを、皆を守らないと」


「危ない……よ!散葉、無茶は……」


「……大丈夫だよ」


そう言って、こっくりさんと向かい合う。


(やっぱり、“狐狗狸”と書くだけあって、どれにも当てはまる様な、曖昧な形をしているんだ)


事前に調べておいた事に納得をする。


不思議とその時の散葉は、恐怖を微塵も感じていない様だった。