☆Little Rose

僕がそこに着く前に
君が消えないでいてほしい
朝日がやがて西の果てへと
たどり着くように
いつか行きたい。

いつかとしか言えないけれど。

真っ白いページに
何も書かなくても
いつかセピア色に染まっていくように
僕の思いもいつか
何かになっていくでしょう。

いつかとしか、言えないけれど。

君が残したのは
ただの一度の微笑みと
胸に焼けるようなこの思い
そして とうの昔に枯れ果てた
一輪の花。

誰ひとり越えては来なかった
冷たい石の 小さな窓に
ただの一度
ひかりを残して言った君を
僕は思っています
闇と冬しか知らない僕に

春の何たるかを
光の何たるかを

一瞬にして植え付けて行った君を。