「では、失礼いたします」 有紗の部屋に着いたときそう言って今井さんはでていった。 「ふー。 夏希座ってー」 「あ、うん」 あたしはいつも座るトコに座る。 おっきいぬいぐるみの上。 それがあたしの特等席。 「夏希、それ好きだよねー。 泊りに来た時もそれ離さなかったもんね」 「えへへー」 あたしはそのぬいぐるみを抱きしめる。 ちなみにそのぬいぐるみというのは犬のぬいぐるみ。 あたしんちにいる犬のココと似てる。 だから愛着があるんだと思う。