「おはよ、大地」 「はよー」 どこか、ぎこちない。 他には、誰もいないのかな? 辺りを見回しても、相変わらず誰もいない。 彼女とどうなったの? なんて、聞きたくても聞けないし。 そんな沈黙の中、一台のバスがやって来た。 「あ、あれだろ?」 温泉宿の貸し切りバスが、ゆっくりと私たちの側に横付けしてきた。 「行こう、柚香」