聞くんじゃなかったかも。 想像しそうになる光景を、慌てて消し去る。 「柚香…」 「何?」 泣きそうよ…、もう。 大地は、私の手を引っ張る。 その弾みで、大地に抱きしめられた。 「柚香のファーストキス、オレが奪いたかった…」 「大地…」 そうだよ…、大地に何があったとしても、私に何があったとしても…、 「そんなの関係ないよ。気持ちは、大地とファーストキスだよ…」