〜翌日〜

「このスクリュー音は『船』です!こちらに接近中!」
監視役のヤドカリが声を張り上げた。


大王イカが距離を観測した。
「目標発見!距離200フィート!マグロ!準備はいいか?」

攻撃の用意を始めているマグロにマッコウクジラが声をかけた。

「マグロ、いけるか?」

そう言われたマグロはヒレをあげた。

「任してください。攻撃準備完了!いまから作戦を開始します!」

マグロは『船』に向かいスピードをあげていった。

「うぉぉぉぉぉ!」

マグロは勢いよく『船』に突進した。

「やったか!?」

マッコウクジラは身を乗り出した。

「だ、駄目です!傷一つ付いていません!」

ヤドカリは慌てて報告を入れた。

「うぬぅぅ。あれが噂に聞く『鉄』という防御兵器か…。マグロはどうした!?」
「消息不明です!」


〜魚屋にて〜

「さぁ皆さん!今日水揚げされた新鮮なマグロだよ!まだ生きてるよ!いまから解体ショーが始まるよ!」
人間が巨大な刃物を用意しているのがマグロには見えていた。
群がる人間は皆、喜んでいる。

「くそっ…。公開処刑か…。」

マグロは悔しそうに呟いた。

END