あ、そういえば 『悠磨のお母さんって、標準語だよね』 『あー、母さん確か彩芽と一緒の出身だけんね』 『でも、ずっとここにいるんだから移らないの?』 『たまに帰ってるらしいから』 『なるほど』 なんか悠磨のお母さんに親近感がわく 『彩芽も方言移らんほうがいいばい』 『え?』 『標準語のほうが似合ってる』 ……彼がどんな表情をしているかは、わからない けれど彼の声からは悲しみが含まれていた 私はそれに気づきながらも何故か聞くのが怖かった